現在地球上に臭いの化合物は約40万種類存在します、そんな臭いの世界で我々人間が「良い臭い」と感じるのは約20%で残りの80%は不快に感じる「嫌な臭い」とされています。
特に日本人は臭いに敏感であるとされ、自分の臭いや他人の臭いが気になる方も多いと思われます。
では「良い臭い」と「悪い臭い」の違いはどこに違いがあるのでしょうか?
「良い臭い」と「悪い臭い」の境界線
「良い臭い」と「嫌な臭い」の境界線には個人差があり、一つの臭いで良い臭いと思える人がいるかと思えば嫌な臭いと思える人も出てきます。
その違いや「良い臭い」と「嫌な臭い」の境界線にはどのような特徴があるのでしょうか?
例えばほとんどの大人が不快に感じる「大便の臭い」は生まれたての赤ちゃんにとっては気にならなかったり不快な臭いに感じません。
周りの子供や大人が「大便の臭い」を臭いと顔をしかめたり嫌なそぶりをするのを見て、この臭いは不快に感じる「嫌な臭い」と学習し記憶をしていきます。
臭いの基準は途中で変わる事もあり、以前は好きだった食べ物の臭いであっても体調が悪い時に食べて、食べた事で気分が悪くなったりしてしまうと、その臭いが「嫌な臭い」と変わる場合もあります。
このような事から判るのは、臭いにまつわる経験や記憶が臭いの良し悪しを判定し、他人にとって良い臭いの物でも自分には不快に感じたり、その逆で自分は気にならない臭いであっても他人には不快に感じる「嫌な臭い」と感じたりと「臭いの境界線」は個々によって違っている事がわかります。
3つの臭い基準
①臭いの要素(質)
②臭いの強さ(濃度)
③臭いの好み(容認度)
人の臭いの好き嫌いは上記の3つの要素が組み合わさって判断されます、また個人によっても臭いに対する反応は、その人が置かれた環境であったり、状況や精神状態などによって変化します。
仮に良い臭いであっても一定以上の濃度になってしまうと、嫌な不快な臭いに感じてしまう事があります。
香水などが良い例で、ある程度は良い臭いと感じますがつけすぎると日本人は特に臭いに敏感であるため、香水をつけすぎる人の臭いは不快に思う方が多い。
例え良い臭いでも「強すぎるものは不快」と感じる傾向にあります。
嗅覚の順応
人間の嗅覚は順応しやすく、また個人差が大きいといった2つの特徴があります。
順応しやすいと言う事は、言い換えると嗅覚の疲労です、つまりどのような臭いでも時間と共に慣れてしまうのです。
例えば自分の家の臭いはあまり気になりませんが、他人の家の臭いが気になる事がありませんか?
これは自分の体臭も同様で自分では気にならない体臭も、他人からすると不快に感じられているかもしれません。
嗅覚の個人差は年齢・性別・人種・環境などによってかなりの開きがあり、性別で見てみると男性より女性の方が嗅覚は優れています。
まとめ
・臭いの80%は不快に感じる
・日本人は臭いに敏感
・「良い臭い」と「悪い臭い」境界線の個人差は大きい
・臭いの良し悪しは3つの臭い基準(質・濃度・容認度)で判断される
・嗅覚は順応が速い
日本人は臭いに敏感です、特に体臭が気になる方も多いのですが自分の臭いには慣れてしまい気づかない事があります。
だからといって必要以上に敏感になる必要はありません、「良い臭い」と「嫌な臭い」の境界線も人によって違います。
ただ臭いの濃度が濃くなると香水であれ好きな人の体臭であっても、ほとんどの人が不快に思えるので注意が必要です。